親鸞聖人越後七不思議 浄土真宗の宗祖・親鸞聖人は承元元年念仏禁制の法難により越後国府に遠流の身になられ流罪赦免になる迄五年間及び其の後も 越後各地を念仏布教に行脚された。其の時聖人が残されたとされる不思議は「親鸞聖人越後七不思議」として生活に身近な植物 や食べ物に聖人への謝念が結びついた形で伝えられ人々の心に深く刻み込まれて居る。
①国府の片葉の葦 上越市国府 本願寺国府別院/上越市五智 居多ヶ浜周辺 聖人上陸の地・居多ヶ浜や最初の住まい「竹之内草庵」(現在の国分寺境内)その後に移り住まれた「竹ヶ前草庵」(現在の 国府別院)周辺には片葉の葦が群生している。聖人一行が越後を去られ関東に向かわれたとき、一面の葦の葉が別れを惜しみ、 一行の方に向かって合掌したなどと伝わる。 ②田上のつなぎ榧 田上町大字田上 了玄寺 聖人が、護摩堂山の城主宮崎但馬守に招かれて法話を説いた際、城主が焼いた榧の実をお茶うけに出された。一粒を地面に植えて 仏縁を説いたところ、芽を出して実を結んだといわれている。しかも、その実には一粒ごとに糸でつないだ跡が残っており、 又一枚で葉が表向きと裏向きに互い違いになっているものも見受けられる。この榧の木は六〇〇年前護摩堂山城跡から了玄寺境内 に移植されたもので、大正十一年に国の天然記念物に指定されている。 ③小島の八ッ房梅 阿賀野市小島 梅護寺 聖人が、この里に滞留したある日、梅干の種を庭に植え仏縁を説いた際これが芽を出して枝葉が茂り、花は薄紅の八重咲きで 花一つに八つの実を結ぶようになったと伝えられている。花は四月中旬・実は五月中旬が見頃。 ④小島の珠数掛桜 阿賀野市小島 梅護寺 小島に逗留した聖人が、出立の際、手にした数珠を路傍の桜の枝にかけ仏縁を説いたところ、桜の花が数珠の房のように垂れ 下がって咲くようになった。なお、この桜は世界でも珍しいものとして、昭和二年に国の天然記念物に指定されている。花の見頃 は五月上旬。 ⑤保田の三度栗 阿賀野市保田 孝順寺 聖人が、保田の里を布教にまわったとき、信徒のささげた焼栗をまいて仏縁を説いたところ、芽が出て繁茂し、一年に三度実り 又一枚の葉の先が二枚に別れて成長したといわれる。 当時の木は枯れてしまったが、現在では若木が育っており、今でも一年に三度実をつけている。 ⑥鳥屋野の逆竹 新潟市中央区鳥屋野 西方寺 聖人が、鳥屋野の里で布教の際、持っていた竹杖を地面にさし仏縁を説いたところ、その竹から芽が出、しかも逆方向に枝葉が 繁茂し立派な竹藪になったと伝えられている。なお、この竹藪は、大正十一年に国の天然記念物に指定されている。 ⑦山田の焼鮒 新潟市西区山田 田代家/新潟市江南区平賀 誓慶寺 聖人が、祓免を受けて、鳥屋野の草庵を出立し、見送りの信徒と共にこの場所で宴を催したとき、信徒が焼いた鮒を献じたが、 聖人が、この焼鮒を山王神社境内の池に放したところ鮒は生きかえって泳ぎ出したと伝えられている。  その後、境内の聖人お袈裟掛けの大榎の枝が風で折れたとき、その折れ口に聖人の姿と焼鮒の形が現れた。